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ホームステージング・ジャパン様
「“違いをもとに理解し合う”ことで進める男女同一業務の職場づくり」

ホームステージング・ジャパン様
「“違いをもとに理解し合う”ことで進める男女同一業務の職場づくり」|事例

株式会社 ホームステージング・ジャパン 様
株式会社 ホームステージング・ジャパン 様
|ホームステージング・ジャパン様「“違いをもとに理解し合う”ことで進める男女同一業務の職場づくり」|事例_3
従業員数
:52人(2017年11月時点)
主要業務
:ホームステージングサービス、不動産物件撮影サービス、レンタル家具サービスなど
キーワード
:男女平等、コミュニケーション
|ホームステージング・ジャパン様「“違いをもとに理解し合う”ことで進める男女同一業務の職場づくり」|事例_3
加藤望美COOに話を伺いました
加藤望美COOに
話を伺いました

「男女の関係はフラット」。その考えがプラスにもマイナスにも働き、性別による仕事のすみ分けが生まれていたホームステージング・ジャパン。しかし今では、男性も女性も同じ仕事をこなし、急増するビジネス案件に対応できる体制を構築しています。男女平等を実現できた背景には、変化がもたらす不安をサポートする取り組みや、個人の違いを受け入れ、お互いを理解するといった姿勢があるようです。加藤望美COOに、同社の女性活躍推進の位置付けや取り組みを伺いました。

男女平等を目指した結果
男性社員に生じた戸惑い

Q. 御社の女性社員の比率は約6割と高く、多くの女性が活躍しています。2013年の創業当時から“女性の活躍”を意識していたのですか?
A. 当社の事業であるホームステージングとは、売却する物件をモデルルームのように家具や小物で演出し、買い手により良い印象を与えることで売却活動を円滑にするサービスのことです。インテリアコーディネートだけでなく、家具の搬入や組み立ても大切な作業です。良くも悪くも当社の代表が男女の関係はフラットと考える人で、男女の体格差や体力差を気にして業務を分けることをしないんです。そのため創業当初は、男女関係なく力仕事をこなす“ガテン系”の仕事という印象が強い会社でした。

ただ、男女関係なく力仕事に従事すると言っても、女性は男性の力にはかないませんよね。そのため、当時は男性の方が活躍できていたのが正直なところです。また自然と、力のある男性が搬入や組み立て、女性が飾り付けなどのコーディネートを担うというような男女分業制が出来上がっていきました。当然、コーディネートを手掛けたいと思って入社した男性社員には、不満があったと思います。
Q. 本人の意思ではなく、“性別”で仕事内容が決まっていたのですね。今は男性も女性も同じ仕事をしているそうですが、どのような変化があったのですか?
A. 当時は男女3人でチームを組み、1チームが1日1件を仕上げるという体制でした。しかし、ホームステージング市場の拡大によって案件数が急増し、今のままでは数をこなせなくなってしまい。男女平等で働ける環境をつくるという観点からも、力仕事をアウトソーシングすることにしたんです。搬入や組み立てを外部にお任せする分、チーム制をやめて1人で1日2件を担当する体制に変え、同時にコーディネートのクオリティを高めること目指しました。
現場での作業の様子。以前は、男性は家具の組み立て、女性は飾り付けという分業制だった
現場での作業の様子。以前は、男性は家具の組み立て、女性は飾り付けという分業制だった
Q. 大幅な体制変更への反発はなかったのですか?
A. 当然ありました。3人で行っていた現場に1人で行って仕上げてくるわけですから、今まで以上に責任とプレッシャーがかかりますよね。男性社員の中には力仕事に誇りを持っていた社員もいたので、活躍の場が減ってしまったと戸惑う人もいました。会社が成長するために必要な変革だと理解していても、気持ちが追いつかなかったり、「できるのかな?」という不安を抱いたりする社員が多かったですね。残念ながら離職してしまった人がいたのも事実です。

対話とスキルアップの場をつくり
変化に伴う不満と不安を払拭

Q. 社員の不満や不安をどのように解決していったのですか?
A. 当時、オフィスが狭くて社員がワンフロアにいなかったこともあり、物理的に意思疎通が図りづらい環境で、要望や不満・不安を日常会話の中で吸い上げることが難しかったんです。
  そこで実施したのが全社員との個別面談です。1カ月に1回、これからどう働いていったらいいのか、(次回の面談である)1カ月後の目標など、会社のビジョンや変化する理由も示しながらとことん話し合いました。キャリアの話に限らず、「倉庫が広くなって寒い...」といった要望や意見も出してもらい、必要だと判断すればどんな小さなことでも必ず対応するようにしていました。あとから聞いた話ですが、「社員と同じ目線で話してくれてありがたかった」という声もあったようで、面談の場をつくって正解だったなと思っています。

また、力仕事を外部に任せてコーディネートに注力するということは、これまで以上に高いコーディネートスキルが求められるということ。個別の面談でも、スキルアップの機会をつくってほしいとの要望が上がりました。そこで新たにコーディネート講座を開催し、不安の払拭に努めました。今でも週1回、専門家を招いて勉強会を開催し、スキルの向上に役立ててもらっています。
社内でコーディネート講座を開催し、スキルを磨く
社内でコーディネート講座を開催し、スキルを磨く
Q. 面談で“マインド面”を、勉強会で“スキル面”をサポートすることで、社員の不安を取り除いていったのですね。他に取り組んでいることはありますか?
A. お互いの理解を深めるために、コミュニケーションの場を積極的につくるようにしています。実は、アウトソーシングをきっかけに、代表と私で行っていた最終のコーディネートチェックを他の社員にも任せることにしたのですが、その結果、「自分よりも社歴の浅い、しかも女性にチェックされることが気に入らない」など、性別や年齢による意思疎通の課題が顕著になっていったんです。チームで動くことがなくなり、お互いを理解する機会が減ってしまったことも要因だったのかもしれません。そこで、社内行事や様々なメンバーでランチに行くシャッフルランチを開催するなど、コミュニケーションの機会をつくって改善を図っていきました。
  また、2017年の秋からはクリッピングも始めました。クリッピングとは、自分が興味のある記事をピックアップし、社内SNSにアップして皆で共有するというもの。まずは習慣化することが大切という考えから、マッサージや占いなど話題は何でもありで、全社員が週1回アップすることだけを決まりとしています。「こんな記事アップしていたよね!」から会話が始まりますし、内容からその人の人となりも見えるので、社員同士の理解を深めるよいツールになっていると感じています。ステージャー(物件の購買層を把握・意識し、「売れる物件」に演出する人)、営業、カメラマンなど、それぞれの観点でコメントしあい、クリッピング上で新しいビジネスアイディアが盛り上がることもあります。

正直言って、乗り気じゃない社員もいるのですが、やると決めたからにはやり切ることが大事。やると言ったのに辞めてしまうのが一番よくないですよね。そこで、会社として本気で取り組んでいくぞというメッセージを発信しています。まずは、私から一人ひとりの投稿すべてにリアクションするようにしています。また、ちゃんと投稿しているかどうかをチェックする担当も設けました。最終的には全社員が習慣として自発的に投稿することが理想ですが、定着するまでは多少の強制力も必要だと考えています。
社内行事の様子。同社では積極的に社員同士のコミュニケーションの場をつくっている
社内行事の様子。
同社では積極的に社員同士の
コミュニケーションの場をつくっている

採用の強化と離職率の低下も実現

Q. 様々な取り組みを実施し、社内の雰囲気も変わってきたのではないでしょうか?
A. 男女の違いに限らず個々の考え方や価値観が違うのは当たり前のこと。当社では、その違いを受け入れ、"違いをもとに理解し合う"ことを大切にしていて、勉強会やミーティングの場を使って、ことあるごとに「相手に違和感を持つことは素晴らしいこと、違和感を持たない方が変だ」という考えを伝えています。型にはめてお互いの可能性を限定するのではなく、個々の違いや良さを理解することが大事なのではないでしょうか。まだまだパーフェクトではありませんが、個人の違いを理解しようとする雰囲気はかなり定着してきました。
Q. 個々の違いを受け入れ、お互いを理解することが、男女同一業務の実現につながっていることがよくわかりました。最後に、女性が働きやすい職場とは何か、加藤さんの考えをお聞かせください。
A. 子どもを持つ女性として、私は以前から「子育てしていてもおばあちゃんになっても、働き続けられる会社にしたい」と思っていました。当社は女性の活躍という切り口にこだわっていませんが、あえて女性活躍という視点で考えてみると、フレックスのシフト制が“女性が働きやすい”職場につながっている気がします。例えば、子どもや家庭の都合で朝から出社することが難しい日があれば、午前中は家で仕事をして、午後から出社することも可能です。普段からコミュニケーションをとっていることで、周りの社員もスムーズに対応できます。必要以上の縛りをつくらないことで、ライフイベントに左右されずに働ける環境が当社の良いところだと思います。

また、会社の考えを共有することも、働きやすい職場につながるのではないでしょうか。当社では、採用面談の段階で男女平等や"違いをもとに理解し合う"という会社の価値観をしっかり伝えるようにしています。そのためか、最近は働きやすい職場を求める女性や、子育てを終えたベテラン女性の入社が増えてきました。

価値観の共有は、採用だけでなく社員の定着という面でも確実に効果が出ています。これからも対話とお互いの理解をキーワードに、真の男女平等、そして女性がいつまでも働ける職場づくりに取り組んでいきたいですね。
真の男女平等の職場づくりに向け、これからも対話と相互理解を重視していく
真の男女平等の職場づくりに向け、
これからも対話と相互理解を重視していく

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