職場におけるロジカルシンキングの必要性|コラム|人材育成・教育研修

2016.12.15

ビジネスシーンにおいて最低限身に付けておくべきベーシックスキルとされる「ロジカルシンキング」。本コラムでは、職場でどのようにロジカルシンキングが活用されるのかについてご紹介します。

ビジネスパーソンとして必須のスキル「ロジカルシンキング」

「ビジネスパーソンとして最低限身に付けておくべきベーシックスキル(基本スキル)とは何か?」という問いの中で必ず挙がるスキルの一つが「ロジカルシンキング」です。「ロジカルシンキング」をテーマにした書籍・研修も数多く展開されていますので、「ロジカルシンキングという言葉を知っている」「知識として理解している」といったビジネスパーソンは少なくないでしょう。しかしながら一方で、「実際のビジネスシーンで実践できているか」という問いに自信を持って「できている」と答えられる方はどのくらいいるでしょうか。本コラムでは、職場でのロジカルシンキングの活用についてご紹介します。

「ロジカルシンキング」はなぜ必要なのか

「ロジカルシンキング」は日本語で「論理的思考力」と訳され、意訳すると「物事を論理的に分かりやすく組み立て、説明するスキル」と言えます。 なぜロジカルシンキングはベーシックスキルとして挙げられることが多いのでしょうか?
これは我々ビジネスパーソンが成果を出すために求められるスキルに起因しています。
具体的には「課題解決スキル」と「ビジネスコミュニケーションスキル」の2つのスキルです。

(1) 課題解決スキル

「業務遂行において生じる課題、あるいは設定した課題に対して解決策を講じるために社内外のあらゆるソリューションを組み合わせて課題解決へ導くスキル」のことを指します。

例えば、会議の場面をイメージしてみましょう。
会議のテーマは「営業部門の生産性UPのための施策検討」だとします。

  • Aさん:「きちんとフォローできていないのが問題だ!」
  • Bさん:「提案書の精度が下がっているのが問題だ!」  etc....

Aさん、Bさんそれぞれが問題意識を持ち、議論が行われていますが平行線のようです。
さて、このような場合、どのようにして解決の糸口をみいだせばよいのでしょうか。

まず「問題は何に起因しているのか」について事実を確認することが考えられます。
具体的には「競合や過去の実績(商談件数・契約率など)との比較」といった具体的な数字を基に考えることで正しく問題を把握することです。これはファクトベース思考(事実を基に論理的に考える)と呼ばれ、ロジカルシンキングの土台となる考え方の一つです。

事実を基に問題を把握したら、次は「問題の深堀り」を行います。
例えば、Aさんの「フォローができていない」というテーマに対しては、「なぜフォローができていないのか?」という問いを考える必要があります。「フォローにかける時間が(以前と比べて)確保できていないから」、さらに「なぜ」で深堀りをした結果、「営業事務手続きに必要以上に時間が取られている」ということであれば、「手続きを簡素化できる余地はないか」を考えていくと効果的な対策案に結びつくかもしれません。
加えてBさんの「提案書の精度が下がっている」という点も、深堀りした結果「事務手続きの時間負担増に伴って、提案書作成にかける時間が取れていない」ということであれば、「手続きを簡素化できる余地はないか」という点が双方につながる解決策ということになります。

このように問題点を深掘りした結果導き出された問題を「優先順位を上げて取り組むべき問題=課題」と設定することで、より成果につながる効果的な対策案をみいだすことが可能です。上記のように、問題を構造分解し、問題点の深堀りを通して課題、対策案をみいだしていく一連の流れについて構図化したものを「ロジックツリー」と呼びます。

(2) ビジネスコミュニケーションスキル

ビジネスシーンにおいて相手と意思疎通を図るスキルのことを指します。「商談や社内メンバーへのプレゼンテーション」「通常業務での報連相」の場面で必須となるスキルで、「相手に分かりやすく伝える」「相手に納得感を持って理解してもらう」といった点がポイントです。

例えば、議論の場面をイメージしてみましょう。
白熱の社内会議で議論された「営業事務手続きの簡素化」に向けて実際に課題解決に向かうためには、各関連部署の協力を取り付ける必要があります。さっそく各部署担当者へ経緯を説明するためのプレゼンテーションの機会を設けます。
では、相手に分かりやすく納得感を持って理解してもらうためには、どのようなプレゼンテーションが必要でしょうか。
例えば、経緯を理解いただくためには、「客観的な事実・数字(過去と現在の商談件数・契約率)の比較」を基に現状を伝え、先の議題で挙がった問題点についてロジックツリーやロジカルシンキングを基に課題をどのように捉えたのか説明できることが重要です。
もし、「なんとなく営業事務手続きが面倒くさい」などと感覚的な表現でプレゼンテーションを行った場合、正しい意図は伝わらないことは、皆さまもご理解いただけると思います。

「ロジカルシンキング」の効果的な習得法

ロジカルシンキングを効果的に習得するためには、研修などのOff-JT と現場での実践機会(OJT)の双方を組み合わせることが重要です。 ロジカルシンキングの研修は、以下2種類をうまく活用しましょう。

参考コラム:「OJT研修を成功させるための3つの○○で、部下・後輩の成長を促す!

(1) 知識習得を目的とした研修

ロジカルシンキングを鍛えるための知識をインプットする場面として活用します。 具体的には、「ロジックツリーの作り方」や「構造分解(ピラミッドストラクチャー)の考え方」「フレームワークの習得」が網羅された内容が効果です。

(2) 実践トレーニングを目的とした研修

実践に近い想定で、実際に考えながらアウトプット訓練を行う場面として活用します。
具体的には、先の事例のような「ケーススタディーを考える」、あるいは「反復練習を目的としたトレーニング」が網羅された内容が効果的です。

このように研修では、「知識習得」「トレーニング」の双方をバランスよく組み合わせることで、職場での実践に備えた効果的な鍛え方が実現できますが、確実に実践で活かせる知識とするためには「職場での実践機会の設定」も取り入れる必要があります。
「職場での実践機会の設定」のためには、職場内での理解や、上司との連携が必要不可欠です。
できれば、職場全体で「ロジカルシンキングを鍛える必要性」や「実践方法」を共有するなど全員が同じ認識で取り組めると理想的です。
また、そのためには、対象者にロジカルシンキングをテーマにした研修を実施するだけではなく、上司側には指導法を伝えるなどの取り組みを進めていくことが効果的です。

本コラムが皆さまのビジネスシーンでのご活躍の一助となりましたら幸甚です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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