ロジカル・シンキングは合理的なメッセージの共有のため|コラム|人材育成・教育研修

2017.10.06 |NEW!

基本的なビジネススキルであるロジカル・シンキングは、当社が提供する研修の中で最も人気のあるテーマの一つです。巷には書籍も溢れています。今回は人気の思考法であるロジカル・シンキングについて、ビジネスにおいて求められる背景などとともに考えていきたいと思います。

ロジカル・シンキングは合理的なメッセージの共有のため

書店でビジネス書のコーナーに立つと、ロジカル・シンキングやクリティカル・シンキング、ラテラル・シンキング、デザイン・シンキング、ヴィジュアル・シンキングなどなど、「○○シンキング」と名の付く書籍が目につきます。また「○○シンキング」に限らず、思考法にまつわる、例えば演繹法や帰納法、弁証法といった言葉やツール、書籍が巷に溢れています。その中でも、皆さんがよく見聞きされるのは冒頭に挙げた「ロジカル・シンキング」ではないでしょうか。当社が提供する研修の中でも、「ロジカル・シンキング」は毎回すぐに定員が埋まってしまうほど人気のテーマとなっています。

ロジカル・シンキングは合理的なメッセージの共有のため

ロジカル・シンキングは、直訳すると「論理的」・「思考」と訳すことができます。ただし、「論理的」な「思考」をすることが目的というよりも、「論理的思考の結果として得られたメッセージを共有する」こと、つまりビジネスにおいて合理的で円滑なコミュニケーションを目的としている点を踏まえておく必要があります。「論理的である」とは、あるメッセージとその根拠が、客観的に見て(立場やバックグラウンドが異なる人が見ても)違和感がなく受け入れられる状態を指します。一昔前であれば「昨年もやっていたので」「業界の慣例にならって」といった理由で行ってきたこともそこかしこに見られましたが、情報化・グローバル化が進展し企業を取り巻く環境の変化が速くなった現在、「目的に適っているのか?」「他の施策と比べて効果的と言えるのか?」といったことを関係者と共有しながら進めていく必要が出てきました。

職場を取り巻く環境も変化してきています。男性中心で「飲みニケーション」が当たり前だった時代の職場では、いわば「阿吽の呼吸」で物事を進めることが出来たかもしれませんが、多様性が増した現代の職場では阿吽の呼吸でのコミュニケーションが成立しづらくなっています。
このような時代の変化が、ビジネスにおいて「客観的に見ても通じる明確で分かりやすいコミュニケーション=ロジカル・シンキングをベースとしたメッセージの共有」を要請しているのです。

このように、ロジカル・シンキングを身につけることでビジネスにおけるコミュニケーション力が向上しますが、この他にも、物事を整理・分析し、課題を発見し、解決策を見いだすスキルの向上が期待できます。なぜなら、ロジカル・シンキング(論理的思考)とは、「整理・分析」およびそれをベースとした「仮説+検証」から成り立つためです。「仮説+検証」とは、ビジネスにおいては問題解決のための課題を特定したり、その解決策となるアイデアを出したりすることと同義と言えます。

ロジカル・シンキングの苦手な日本人、は本当か?

ロジカル・シンキングがビジネスで求められる背景は上記の通りですが、たかだか「論理的に思考すること」について、なぜこれほど多くの書籍が出版され、研修などで学びたい人が多いのでしょうか。義務教育~高等教育において、特に国語や算数(数学)といった科目においては「論理的思考」が求められ、皆さん鍛えられているはずではないでしょうか。事実、日本人の成人の読解力と数的思考力は世界でもトップレベルにあります※1。日本語の文法が、端的に結論を述べる際などに適していないといった点を指摘する人もいますが、日本語であっても論理的な文章を構成することは可能ですから、日本語の文法の特性が、ロジカルに考えることを阻害しているという因果関係は必ずしも正しいとは言えないでしょう。

※1 「2016年版 情報サービス産業基本統計調査」

ロジカル・シンキング力は「考える」ことで鍛える

ロジカル・シンキングを身につけるための教材やコンテンツがこれほどまでに出回っている理由には、「ロジカル・シンキングを実践する機会がない」もしくは、「切実には求められてこなかった」ということが挙げられます。貴社においても、「毎年やっていることだから」「上司から指示があったから」という理由(理屈)で遂行されている業務が圧倒的に多いのではないでしょうか。「なぜこれを行うのか?」「そもそも目的は?」といったことをいちいち考えていたら業務が回らないというのも事実かもしれません。組織全体が考えることを放棄してきた結果として、個人レベルでも考える機会が与えられず、突然ロジカル・シンキングを求められてもどうすればいいのか分からない、というのが実態ではないでしょうか。そしてこのニーズに応えるようにして、書籍などの教材も溢れていると考えられます。

また、日本はハイコンテクスト文化、つまり「Context=コミュニケーションの基盤となる価値観・言語・知識」の共有度が高い文化であるため、伝える努力をしなくてもお互いの意思を察しあうことで何となく通じてしまったり、論理的ではなくとも何となく流れを汲んでコミュニケーションが成り立ってきました。
こうした文化の特徴も、明確で分かりやすいコミュニケーションを取る必要性を下げていた一因と考えられます。

しかしながら、短期間で多くの成果を出すためには、このようなコミュニケーションの方法では限界があります。成果を出す方程式の可視化が多くの人に求められていますが、それが出来る人が少ないことが、ロジカルシンキングへの渇望感、焦燥感につながっているのかもしれません。

こういった状況にあって、ロジカル・シンキングに対して苦手意識を持っている人が多く、当社の研修をご受講いただく方の中にも、事前に「難しそう」といったお声をお寄せくださることがあります。確かに、ロジカル・シンキングを身につけるためにはいくつかの「型」や「枠」とそれらを使う手順を覚える必要はありますが、あとは「型」や「枠」を使いながらいかに実践するかが重要です。実践とは、つまり「ロジカルに考える」ことです。日頃から考える習慣をつけることが大切です。また、考えるとき、抜け漏れを防ぐ意味からも紙に書いて考える方が望ましいと言えます。さらに考えたことを人に説明することで、論理に矛盾がないか、推論に飛躍がないか、などより客観的に見た意見を取り入れることが可能となります。

情報化・グローバル化は今後もさらに加速し、職場は今後もますます多様性が増していくと考えられます。同時に、ビジネスコミュニケーションの肝となるロジカル・シンキングも重要性が高まる一方と考えられます。ロジカル・シンキングはもはや最も基本的なビジネススキルの一つと言えますが、研修を担当させていただくと中堅・管理職の方でも未だに「阿吽の呼吸」派が大勢を占めているのが実態です。コミュニケーションのツールである以上、ロジカル・シンキングを実践する人が職場に一人いればよい、というものでもありません。Biz CAMPUS Basicのロジカル・シンキング研修は全社員にご受講いただけます。ぜひ、論理的思考力向上に向けた取組みの第一歩として皆さまでご利用ください。

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