「MECE」な思考でロジカル・シンキングの効果を高める|コラム|人材育成・教育研修

2017.11.21

ロジカル・シンキングについて学んでいると必ず目にする「MECE」というキーワード。わかっているようで、きちんと理解できていると言い切れる人は少ないのではないでしょうか。今回のコラムでは、「MECE」の定義とは何か、仕事にどのように活かせばよいのか、どのように身に付けるのかをお伝えいたします。

「MECE」な思考でロジカル・シンキングの効果を高める

以前のコラム で、ロジカル・シンキングはなぜ必要とされるのか、ロジカル・シンキングをどのように習得していくのか、という内容をご紹介しました。今回は、ロジカル・シンキングを学んでいると必ず出会う、「MECE(ミーシー、ミッシー)」についてご紹介いたします。ロジカル・シンキングに興味をお持ちの皆さんは、MECEという言葉を既にご存知かもしれません。しかし、このMECEの意味を正しく理解し、仕事に活かしている人は少ないのではないでしょうか。今回は、うまく活用できるとロジカル・シンキングの効果を高めることができる、この「MECE」という考え方について改めて見ていきましょう。

「MECE」な思考でロジカル・シンキングの効果を高める

MECEとは、「漏れなく重複なく」考えること

まずは、MECEの意味と効果を再確認します。「MECE」とは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字をつなげた言葉です。意味をそのまま表記すると「相互に排他的で、完全な全体集合」という文章になりますが、わかりやすく言い換えると「漏れなく重複がない状態」となります。
これだけでは少しイメージしにくいかもしれないので、具体例で確認していきましょう。 例えば、皆さんの会社に勤めている人たちをMECEに分けるとどうなるでしょうか。10代、20代、30代...と、年代ごとに区切っていくと、漏れなく重複がない状態、つまりMECEに分けることができます。他にも、男性と女性に分ける、新卒入社の社員と中途入社の社員に分ける、勤続年数ごとで分けるなどの分け方は、漏れなく重複がないため、MECEな分け方だといえます。
では、20代以下の社員と管理職で分ける、という分け方はどうでしょうか。この分け方では、30代以上で管理職ではない人が漏れていますし、20代以下かつ管理職の人もいるため、その人たちは重複してしまいます。つまり、MECEな分け方とは言えません。

それぞれの分け方|「MECE」な思考でロジカル・シンキングの効果を高める

MECEな考え方が仕事にもたらす2つのメリット

では、このようなMECEな考え方はなぜ重要視されているのでしょうか。その理由は、大きく2つあります。

(1) 考慮漏れを防ぐことができる

いくらロジカル・シンキングが得意な人でも考える対象を見落としてしまえば、考えを正しく進めることも、問題を解決することもできません。例えば社員育成の施策を検討する際に、先ほど例示した「20代以下の社員と管理職で分ける」という考え方をすると、漏れてしまっている「30代以上の非管理職」に対する施策は全く考慮されなくなってしまいます。MECEな考え方を身に付ければ、このような「そもそも考慮できていなかった」という事態を防ぐことができるのです。

(2) 効率よく考えを巡らすことができる

MECEな考え方ができていないと、同じことを別の角度から何度も考えることになり、現状を必要以上に複雑に捉えてしまうことになります。例えば残業時間が増えている原因を突き止めようとした場合。MECEに考えられていないと「お客様からの注文が増えたことが原因かもしれないし、業務フローが変わったことが原因かもしれないし、最近何名か入社したことが原因かもしれないし...」と止めどなく考えを巡らせることになってしまいます。このような考え方では、いつまでたっても考える対象の全体像が見えず、「よし、もうこれ以上は考えなくて大丈夫だ」と納得できません。MECEな考え方を身に付けていれば、例えば「考える対象を『部門』という切り口で分けて、各部門ごとに残業時間が増えていないかを確認していこう」と考えることにより、全体像を意識しながら効率よく考えることができるようになるのです。

どんな職場でも求められるMECEな考え方

このようなMECEな考え方は、どのような仕事に従事していても必要とされます。ここでは職種別に、MECEな考え方が求められる場面を見ていきましょう。これらの場面で、前述したような「考慮漏れで考え直さなければいけないことが多い」「同じようなことを何度も考えてしまい、考えがいつまでもまとまらない」という状況に陥ってしまっている人は、改めてMECEに考えるトレーニングをする必要があるかもしれません。自分がMECEに考えられているかどうかを確認しながら、読み進めてみてください。

(1) 企画・管理業務に従事している人
・市場や顧客のセグメンテーションをする際
・内部環境、外部環境を分析する際
・業務の流れを整理する際
など
(2) 営業に従事している人
・市場や顧客をセグメンテーションする際
・現在進行している複数の案件を管理する際
・営業における各ステップごとの改善案を考える際
など
(3) 事務・アシスタント業務に従事している人
・業務の流れを整理する際
・データを整理、分析する際
・手戻りやミスの原因を特定する際
など
(4) 販売・サービス業務に従事している人
・お客様が購入に至るまでの流れを整理する際
・お客様のご要望をまとめる際
・顧客満足度を高める要因を特定する際
など
(5) エンジニア業務に従事している人
・プログラムの流れを考える際
・問題の切り分けを行う際
・要件定義を行う際
など
(6) 研究・開発業務に従事している人
・製法や試作品の検討を行う際
・プロトコルの構築や見直しを行う際
・顧客ニーズの分析を行う際
など
(7) 製造・生産業務に従事している人
・不良品を低減させる原因を特定する際
・リードタイムを短縮する糸口を特定する際
・生産工程の見直しを行う際
など

いかがでしょうか。総じて言えることは、「情報整理を行う場面」や「問題の切り分けを行う場面」でMECEな考え方が求められるということです。情報整理や問題の切り分けが苦手な人は、改めてMECEな考え方を意識してみてください。

MECEな考え方を身に付ける2つのポイント

ここまでMECEに考える重要性を見てきました。最後に、MECEに考えられるようになるための2つのポイントを見ておきましょう。

(1) 紙に書き出しながらMECEに考える

MECEな考え方を身に付けるためには、MECEに考えるトレーニングを繰り返すことが有効です。仕事の中で「情報を整理する」「問題を切り分ける」必要がある場面に出くわした時には、MECEに考えることを意識してみてください。この時のポイントは、「紙に書き出しながら考える」ということです。頭の中だけで対象を切り分けようとしても、考えがまとまらず、漏れや重複が発生しやすくなります。考える対象を紙の上で図示しながら、MECEを意識して考えてみましょう。

(2) 既存の切り分け方を知る

世の中には、物事をMECEに考えるために誰かが考え出した切り分け方が存在します。このような切り分け方を知ることも、MECEに考えるための強力な手助けとなります。ポイントは1つの切り分け方で満足するのではなく、様々な切り分け方を知ることです。例えば、売上を生み出す要因を切り分ける方法も、「売上=単価×客数」「売上=商品数×商品単価」「売上=営業人員数×1人当たり売上高」など、様々存在します。他にも「業務をプロセスごとに切り分ける」「対象の人や企業を属性ごとに切り分ける」など、既に存在する様々な切り分け方を知っておくと、まずはその切り分け方を頼りにMECEに考えられるようになります。

今回は、ロジカル・シンキングを実践するための土台となる「MECE」についてご紹介しました。皆さんはMECEな考え方を日々実践できているでしょうか。当社のBiz CAMPUS Basicでは、MECEに考えるケーススタディに取り組める、様々な研修を用意しております。「ロジカル・シンキング」や「MECEな考え方」を身に付けたいと感じた方は、ぜひBiz CAMPUS Basicの研修紹介ページを見てみてください。

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