「御用聞き営業」「提案型営業」「ソリューション営業」を知り使いこなそう!|コラム|人材育成・教育研修

2017.11.29

営業に従事される方であれば、提案型営業という言葉は聞き慣れた言葉かと思います。しかしながら、提案型営業の定義をしっかりと把握し、ポイントを体系的に整理できている方は意外と少ないのではないでしょうか。今回のコラムでは、提案型営業の4つのポイントをお伝えいたします。

聞き慣れた「提案型営業」というスタイル

営業のスタイルは様々あり、時代背景や、商品の特徴によってそのスタイルは変わってきます。
今回は、営業スタイルの中でも、よく耳にする「提案型営業」に焦点をあててご紹介いたします。「御用聞き営業」「提案型営業」「ソリューション営業」の違いや、提案型営業を行う上でどのようなポイントを押さえるべきなのかを確認していきたいと思います。

「御用聞き営業」「提案型営業」「ソリューション営業」を知り使いこなそう!

提案型営業とは「お客様の悩み(課題)を解決する営業」

まずは、「御用聞き営業」「提案型営業」「ソリューション営業」を比較しながら、それぞれの言葉の定義や、営業時の具体的なイメージを確認してみましょう。
当社では、「御用聞き営業」とは、「お客様に言われたことに対応する営業」と定義しています。一方、「提案型営業」とは「お客様の課題(悩み)を解決する営業」と定義しています。そして、「ソリューション営業」とは「お客様の課題(悩み)に対して自社の商材を解決策に含み提案する営業」のことを言います。広義では「ソリューション営業」も「提案型営業」に含まれることもありますが、厳密には「ソリューション営業」と「提案型営業」は異なります。営業一つとってもこれだけの種類があり、非常に奥深いですね。

もう少し、掘り下げてお話しを進めていきたいと思います。「提案型営業」や「ソリューション営業」の定義で述べた「お客様の課題」にはどのような種類があるかというと、大きく2種類に分類することができます。

  • 1. お客様が認識している課題=顕在的な課題
  • 2. お客様が認識していない本質的な課題=潜在的な課題

提案型営業と一口に言っても二段階あり、一段階目が、上記1. の「お客様が認識している課題」を把握し、様々な側面から提案をする段階。二段階目が、上記2. の「お客様が認識していない本質的な課題」を発見し、その課題を認識していただいた上で、本質的な課題に対する提案をする段階です。

まだ少しイメージが沸きづらいと思いますので、具体的な事例でそれぞれの違いをご説明します。

例えば、お客様から「特定の社内コミュニケーションツールを導入したい」というご要望をいただいたとします。それに対して、「分かりました」と言って、お客様に言われたこと、つまりお客様に指定いただいた「特定の社内コミュニケーションツールを導入すること」を叶える営業が御用聞き営業のイメージです。それに対して、一段階目の提案型営業は、「社内コミュニケーションツールを導入したい」というご要望に対して「なぜ社内コミュニケーションツールを導入したいのですか。」と掘り下げてみて、把握できた課題に対して様々な側面から提案をしていきます。例えば「コミュニケーションがうまくいっていないからです。」という課題が把握できたとします。この課題に対して、指定いただいたコミュニケーションツールよりもお客様のご要望を叶えるのに役立つコミュニケーションツールの提案や、カフェスペースの使い方、社内コミュニケーション活性化のためのイベントも同時に提案するといったイメージです。一方、二段階目の提案型営業では、「コミュニケーションがうまくいっていない」という課題を更に掘り下げて、本質的な課題の発見に努めます。その結果「業務が煩雑であるため、コミュニケーションをしっかりとる時間がない」という、お客様も気づいていなかった本質的な課題が発見できたとします。こうして発見した本質的な課題に対して、「社内コミュニケーションツールの導入」ではなく、業務を効率化するためのコツや、生産性向上の施策やツールを提案すること、これが、二段階目の提案型営業のイメージです。
冒頭でご説明したソリューション営業とは、上記の二段階とはまた別の切り口の定義であり、顕在的な課題にせよ、潜在的な課題にせよ、お客様からいただいた課題に対する提案が「自社の商材を含んだ解決策の提示になっている」営業のことを指します。ただ、世の中の言葉の定義は広義、狭義含めると様々ありますので、言葉の定義ももちろん重要なのですが、本質的にはどのような営業があり、それぞれ何が違うのかということです。

営業には大きく分けると三段階あり、

  • 「お客様に言われたことにそのまま答える営業」
  • 「お客様にプラスαの提案ができる営業」
  • 「お客様も気づいていなかったようなことも気づかせることができる大変役に立つ営業」

の三段階です。

この三段階が、言い換えると、「御用聞き」「課題に対する提案」「本質的な課題に対する提案」であり、このうち、「本質的な課題に対する提案」を行うことができると、他社とのコンペになりにくい圧倒的な信頼を得られるという特徴があります。しかし、本質的な課題を発見したり、お客様にその課題を認識していただくことはそう簡単なことではなく、二段階目の「本質的な課題に対する提案型営業」は場合によっては長い時間を要す非常に難易度が高い手法と言えます。

ただ、二段階目の提案型営業を身に着けるまでには至らなくとも、「お客様が認識している課題」を確実に把握し、様々な側面からアプローチを行うことができれば、十分に競争力のある提案になるでしょう。

そのため、本日はまず、一段階目の「お客様が認識している課題」に対して、競争力のある提案を行うためにはどのようなポイントがあるのかをお伝えしていきます。

提案型営業の4つのステップ

提案型営業の定義や、具体的な営業時のイメージが沸いたところで、提案型営業を進めるためのステップをご紹介いたします。提案型営業のステップは以下に示す4つです。

提案型営業の4つのステップ
1. お客様との信頼関係づくり
2. お客様の課題を把握する
3. お客様と課題の認識をすり合わせる
4. お客様の課題の解決策を提案する

では、それぞれのステップをもう少し詳細に見ていきましょう。

ステップ1 お客様との信頼関係づくり

提案型営業の最初のステップは、お客様との信頼関係づくりです。では、そもそもなぜお客様との信頼関係づくりが重要なのでしょうか?
それは、お客様に信頼していただくことができなければ、お客様から悩みや課題を聴くことができないからです。
例えば、営業を受ける立場に立って思い浮かべてみてください。信頼をしていない人や、初対面の人に自社の課題を包み隠さず話される方は少ないのではないでしょうか。一方、営業の立場からすると、長年お付き合いのあるお客様だけではなく、初めてお会いしたお客様や、たった二、三回しかお会いしていないお客様でも、その少ないコミュニケーションの中で、信頼を勝ち取り、自社の課題を包み隠さず全て話していただく必要があります。なぜならば、短期間で信頼関係を獲得する事ができなければ、受注までの期間が延びたり、競合が出てくる可能性もあるからです。

では、お客様から信頼していただける信頼関係づくりには何が重要でしょうか。
それは、いかに「有益な情報を数多く提供してくれる専門家」としての認知を獲得できるかです。

例えば、皆さんが病院に行かれる際、お医者さんが初対面だとしても、「どうしましたか」と言われると、自ら進んで、様々な状況を話されますよね。

これは、「お医者さん」という圧倒的専門家としての認知が出来上がっているため、「自身の状況を話したら有益なアドバイスがもらえるのではないか」という期待があるからです。 営業においても、お客様の業界や、法規制の最新情報をお客様よりも詳しく把握していたり、自社商品や自社業界の情報に精通していれば、「この人は○○の事を非常によく知っている専門家だ。相談すれば良いアドバイスがもらえるかもしれない。」と思っていただける事でしょう。

このように、業界や商品の知識をしっかり身に着けることによって、専門家としての認知が形成され、その認知がお客様に悩みや課題をお話しいただける状況を生み出すのです。

ステップ2 お客様の課題を把握する

お客様との信頼関係構築ができたら、次はお客様の課題を把握するステップです。課題を把握する際の注意事項は、キーパーソンにとっての課題を把握をするべきだということです。立場が変われば、見える、感じる課題が異なるのは当然です。例えば、社長の立場から見た課題と、部長の立場から見た課題、現場の担当者から見た課題が違うのは当然の事です。ここで、担当者の課題に振り回されて、社長(キーパーソン)が感じている課題と異なった課題に対して提案をしても、受注にはつながりません。
常にキーパーソン≒決裁者の考えている課題は何かを捉える事を意識すると良いでしょう。

ステップ3 お客様と課題の認識をすり合わせる

お客様の課題を把握したら、次はお客様と課題の認識をすり合わせるステップです。

このステップをしっかり踏むことで、いざ提案の段になった際に、提案の的が大きく外れることを避けることができます。
ステップ2で把握をした課題を分かりやすくまとめて、お客様と課題の認識に相違がないことが確認します。

課題をまとめる際のポイントもいくつかありますが、一例としては、「お客様が使っていた言葉でまとめること」、「3個程度のカテゴリにまとめること」などが挙げられます。

例えば、お客様が「マネジャー層」というキーワードでお話しされているにも関わらず、「管理職層」と言い換えてしまったり、10個も15個も粒度の細かい状態で、課題を列挙するという状態はあまり望ましくありません。異なる言葉に置き換えることで、お客様が言葉に持たせている意味や意図に違和感を感じさせることになってしまったり、認識のズレを生じさせる一因になってしまうケースがあります。また、まとめる際も、いくつか上がった課題をカテゴリごとに整理をしてみて、なるべく3個程度にまとまるようにすると分かりやすいでしょう。

ステップ4 お客様に課題の解決策を提案する

最後に、お客様に課題の解決策を提案するポイントをご紹介します。お客様に解決策を提案する際に有効なツールは「提案書」です。口頭のみで、課題や提案をうまく伝えることは非常に難しいので、可視化が有効です。提案書を用いて、お客様に提案をする際のポイントは大きく分けると以下の3つになります。

  • 1. 課題に対して的確な提案内容であること
  • 2. 提案書が分かりやすいこと
  • 3. お客様に響く説明の仕方ができること

成果を出す営業パーソンの多くは、「提案までに勝負はついている」と言います。つまり、「取り上げた課題が適切で、提案が課題にフィットしていること」というのがまずは大前提ということです。この提案内容が、自社の商材やサービスに必ずつながるような提案内容になっている営業がソリューション営業です。

そして、提案書を分かりやすく書くためには、提案のゴールや目的が明確であること、そしてそこに向かうシナリオに一貫性がある事などがあげられます。こちらのポイントは当社Biz CAMPUSの研修の中にもプレゼンテーション入門<シナリオ作成編> をご用意しておりますので、ぜひそちらも参考にしてください。

最後に、説明を分かりやすくするためには、デリバリーと言われるスキルを磨くことが重要です。デリバリー成功のポイントは、言葉遣い、表情、立ち居振る舞いなどいくつかありますが、達人になると「リスナーウォッチング」といって、相手の気持ちや状況に合わせてプレゼンテーションをコントロールすることができるようになります。こちらも詳しくはプレゼンテーション入門<デリバリー力向上編> をご用意しておりますので、ご興味ある方はぜひそちらをご受講ください。

提案型営業はしっかり習得すれば、あらゆる商品やサービスの営業で使える武器となります。
ぜひ、ご自身の日々の営業を振返りながら、どのような提案が良いのかイメージを膨らませてみてください。

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