PM理論とは ~理論から理解するリーダーシップ~|コラム|人材育成・教育研修

2017.12.08 |NEW!

ビジネスの世界に身を置く人であれば、リーダーシップという言葉を聞いた事がないという人はごく稀かと思います。リーダーシップは多くのケースや場面で求められており、今や全てのビジネスパーソンが身につけるべきスキルとも考えられています。今日はリーダーシップの理解を深めるために、様々なリーダーシップ論の中からPM理論についてご紹介いたします。

全てのビジネスパーソンに求められるリーダーシップ

皆さんはリーダーシップという言葉を聞いたことがあるでしょうか。そう、おそらくビジネスの世界に身を置く方であれば、リーダーシップという言葉を聞いたことがない、という方はごく稀かと思います。それほどに現代のビジネス社会ではリーダーシップという言葉が浸透しており、今や組織や集団を率いる者のみに必要とされるものではなく、全てのビジネスパーソンに必要なものとして重視されています。

PM理論とは ~理論から理解するリーダーシップ~

リーダーシップという言葉は、直訳すると「指導力」「統率力」という意味になります。ただ、ビジネスの現場で用いられるリーダーシップという言葉は、「指導力」「統率力」という意味を越え、使われる場面やケースに応じて様々な意味で使われています。リーダーシップに関する理論も世界各国での長年の研究成果として、様々な理論が展開されています。

リーダーシップ論の変遷

リーダーシップ研究の古くは1500年代から始まったと言われており、当初は国や地域の統治方法や統治者に共通する特性を論じたものでした。20世紀を超えると、リーダーになる人は共通する特性を持っているとする特性理論が唱えられます。しかし、研究が進む中で個人の特性だけではリーダーシップの発生を説明するには十分でないということもわかっていきました。そこで生まれたのが行動理論です。リーダーに共通する行動にはどのようなものがあるのか、優れたリーダーは何にどの程度関心を寄せて行動をしているのかを研究したものです。その後も環境や条件によって取るべき行動は変わるという考え方を軸に置いた条件適合理論、リーダーとフォロワーの相互関係に注目した交換・交流理論、低成長期に求められた変革を牽引する組織変革リーダーシップ、指導者としての力量だけでなく人としての倫理観に比重を置いたサーバントリーダーシップ、オーセンティックリーダーシップなど次々とリーダーシップ論が展開されています。

このように、時代背景や状況によって求められるリーダーシップ像が変わり、それに伴い様々なリーダーシップ論が展開されてきました。

今回は、沢山の理論があるなかで、まずはリーダーに共通する行動に着目した行動理論の中の代表的なリーダーシップ論であるPM理論についてご紹介をしていきます。

目標達成機能と集団維持機能で構成されるPM理論

まずはPM理論とは何かをご説明いたします。PM理論とは、日本の社会心理学者である三隅二不二らにより1966年に提唱されたリーダーシップ論です。PM理論では、リーダーシップは、「P (Performance function)目標達成機能」と、「M(Maintenance function)集団維持機能」という二つの機能により構成されると考えられています。PM理論に近いものとしては、1962年にテキサス大学より考案された、マネジリアル・グリッドが知られています。

三隅二不二は、グループ・ダイナミクス(集団力学)を初めて日本に紹介した人物であり、PM理論の研究も、「グループ・ダイナミクス(集団力学)の観点からリーダーシップを考えてみよう」ということで始められたものでした。そのため、「リーダーシップが果たすべき役割=集団を発展させること」と考えられています。そこで、「集団を発展させるために必要な機能とは何なのか」と紐解いていったところ、たどり着いた答えがP機能とM機能でした。

では、もう少し具体的にP機能とは何か、M機能とは何かを見ていきましょう。

「P機能(Performance function)目標達成機能」とは、集団の目的達成や課題解決に関する機能であり、目標設定や計画立案、指示などにより、成績や生産性を高める機能を指します。
P機能の行動例としては、

  • 「納期を厳守するために細かく進捗管理をする」
  • 「毎月の目標達成のために、綿密に計画を立てる」
  • 「ルールや規則を守るために、厳しくメンバーを指導する」...等

があげられます。

「M機能(Maintenance function)集団維持機能」とは、集団の維持に関する機能であり、集団の人間関係を良好に保ち、チームワークを強化、維持する機能を指します。
M機能の行動例としては

  • 「メンバー間の人間関係に対立がある場合などに、積極的に関与をする」
  • 「メンバー1人1人を気づかい、頻繁に声をかける」...等

があげられます。

PM理論では、このPとMの二つの機能の強さにより、リーダーシップを以下の四つに分類して評価をしています。(PM型、Pm型、pM型、pm型)

  • 1. PM型 ... P・Mの機能がともに強い
  • 2. Pm型 ... Pの機能は強い、Mの機能は弱い
  • 3. pM型 ... Pの機能は弱い、Mの機能は強い
  • 4. pm型 ... P・Mの機能がともに弱い

先ほどの「P(Performance function)目標達成機能」と「M(Maintenance function)集団維持機能」の定義に当てはめてみていくと、

PM型 ...
集団の成果を上げる力も、集団をまとめる力も強い、理想的なリーダーシップ像
Pm型 ...
集団の成果を上げる力は強いが、集団をまとめる力はあまり備えていないリーダーシップ像
pM型 ...
集団の成果を上げる力はあまり備えていないが、集団をまとめる能力には長けているリーダーシップ像
pm型 ...
集団の成果を上げる能力もあまり備えておらず、集団をまとめる能力も備えていない、組織を率いてパフォーマンスを発揮することが困難と思われるリーダー像

Pm型のように、P機能のみが強い場合、綿密な計画や、緻密な管理、徹底した指示・指導などのもと、短期的に成果を上げることはできるかもしれません。しかし、メンバー同士の人間関係に気を配ることを怠ったり、個々人を尊重して気にかけるという機能が欠落することによって、長期的に見ると、メンバーのモチベーションの低下やパフォーマンスの低下につながる可能性があります。
また、pM型のように、M機能のみが強い場合、組織のチームワークは保たれやすいですが、目標達成に向けてしっかりと計画を示したり、戦略を立てて引っ張る必要がある場合には、集団を発展させることに困難を感じるかもしれません。

いかがでしょうか。リーダーシップの4つの分類のイメージをお持ちいただくことができたでしょうか。

PMの機能はどうやって伸ばすのか

では、理想的なリーダー像であるPM型に近づくために、P機能、M機能はそれぞれ、どのように伸ばしたらよいのでしょうか。

P機能を伸ばすために必要な要素

P機能である「集団の目標達成や課題解決を行う」ために必要な要素は、いくつかに分解することができますが、大きく分けると「ゴールを明確に提示することで、ゴールへの意識と、ゴールまでの具体的な道のりのイメージを持たせる」という要素と、「ゴールに向けた行動を徹底させる」という要素に分けることができます。
前者については、まずはリーダーが会社(組織)全体の目指すべき方向性を理解した上で、自チームの役割や目指すべきゴールは何かということをしっかりと理解していることが大前提になります。その上で、自チームのメンバーに、常にゴールへの意識を高く持ってもらうために、何度も何度も繰り返しゴールや役割を共有したり、そこに向かうためにやるべきことをかみ砕いて伝える必要があります。しかし、想いやゴールだけを伝えても、なかなか目標達成は果たせないかもしれません。なぜならば、想いやゴールだけを伝えて行動を徹底できるメンバーというのはごく稀だからです。そのため、「ゴールに向けた行動を徹底させる」、例えばメンバーに行動についてのコミットをさせたり、適切なスパンで進捗管理を行うなどを強化することによってP機能をのばすことができるでしょう。

M機能を伸ばすために必要な要素

一方、M機能の伸ばすためにはどのような要素が必要でしょうか。M機能である「集団をまとめる」ために必要な要素も多々ありますが、こちらも一つの大きな分け方としては、「上司対メンバー」という人間関係(縦の人間関係)と「メンバー対メンバー」という人間関係(横の人間関係)という二つに分けることができます。
縦の人間関係においては、例えば月一回一人一人としっかり面談の時間を確保して、メンバーの想いを確認したり、キャリアイメージを共有するなどの方法があります。
横の人間関係においては、例えば会議の場で全員に考えを発表してもらったり、紙に書いてもらい共有する場を設けるなど、各個人の考えていることや方向性をオープンにし、意識的に共有できる場を作るなどの方法があります。

P機能、M機能を伸ばすための取組みとして、いくつか具体的な行動例をお伝えしました。皆さんもこれなら取り組めるかもしれない、と思えるものがありましたら、ぜひ今後の取組みの参考にしてみてください。

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