クリティカルシンキングとは。 それが不得意な人の3つの特徴|コラム|人材育成・教育研修

整理して考えをめぐらせているのに、成果になかなかつながらない。このような人には、多角的に考え、適切に分析する思考法であるクリティカルシンキング(批判的思考)の力が足りていないのかもしれません。今回は、この思考ができていない人の特徴を挙げながらその重要性を考えていきたいと思います。

クリティカルシンキングとは。 それが不得意な人の3つの特徴|人材育成コラム_3

クリティカルシンキングとは

ビジネスで求められる思考法には何があるかと質問されると、多くの人はロジカルシンキングを思い浮かべるのではないでしょうか。以前のコラム でも触れているように、ロジカルシンキングはビジネスパーソンが成果を出すために必要なスキルであり、最低限身につけておくべきスキルとされています。ただし、ロジカルシンキングにはある注意点があります。それは、論理の前提条件や論理の展開が適切でないと誤った結論に至ってしまう可能性があるということです。例えば、「最近、電話窓口の対応が悪いというお客様からの意見が強くなっている。顧客満足度を下げないために電話窓口担当者の教育をするべきだ」という主張があったとします。一見、正しい論理に見えますが、果たしてそうでしょうか。この「本当にこの論理は正しいのか」、「そもそも考えるべき課題は何か」を明らかにし、正しい結論に導く思考法がクリティカルシンキングです。

クリティカルシンキングとは。 それが不得意な人の3つの特徴|人材育成コラム_4

クリティカルシンキングとは直訳すると「批判的思考」と訳されます。「批判的」という言葉から粗探しをするイメージを持たれるかもしれませんが、決して欠点を指摘するだけの思考法ではありません。クリティカルシンキングの特徴には、「本来考えるべき課題を押さえる」、「論理の前提を疑う」、「思考の偏りに気づく」といったことがあります。
先ほどの例を見てみましょう。「お客様からの意見が強くなっている」ことには、どのような前提があるのでしょうか。そもそも、「強くなっている」とは具体的にどのような状況なのか分かりません。どの位の期間でいくつ同様の意見をお客様からいただいていたのか、それが過去と比べて増えているかどうかを検証しないと、結論が適切かどうか判断できません。このように、クリティカルシンキングを実践すると論理の前提を疑えるようになるため、こうした主張も一旦立ち止まって検証できるようになります。

クリティカルシンキングが脚光を浴びるようになったのはここ最近のことです。ビジネス環境が目まぐるしく変化している現代では、「今まではうまくいったのだから、これからもこの方法でうまくいくはずだ」といった考え方は通用しません。環境の変化に取り残されないようにするには、古いやり方や考え方を捨てて、これまでとは違った切り口、考え方、アイディアを取り入れなければいけません。そのために何を捨て、何を取り入れるべきなのかを批判的に見極める必要があります。

クリティカルシンキングができない人の3つの特徴

ここからは、クリティカルシンキングができない人にみられる代表的な特徴を3つ挙げ、クリティカルシンキングができないと仕事にどのような影響を及ぼすのか見ていきます。

1. 自分の考えに固執し、違った意見を受け入れられない

自分なりの考えを持って仕事に臨むことは素晴らしいことです。ただし、クリティカルシンキングができていないと「自分の考えがそもそも正しいのか」と疑う思考が働かず、自分とは異なる意見をはね付けるようになってしまいます。さらに、自分の考えを正当化することに固執すると本来考えるべきことから論点がずれてしまいます。

ある会社で行われた、来期の営業戦略を考える会議の例を見てみましょう。会議の場でAさんが「今期、売上が停滞しているのは顧客への訪問数が足りないからだ。売上を伸ばすために、来期はもっと訪問数を増やそう」と主張しました。これに対し、Bさんが「顧客1社あたりの購入金額を上げるのはどうだろうか」と意見を出しました。ところが、Aさんは「いや、大切なのは訪問数だ。顧客が増えないと売りようがないじゃないか」と自分の意見を曲げません。その後AさんとBさんの主張のぶつけ合いになり、営業戦略の方針決めは次回に持ち越しになってしまいました。
この場合、本来考えるべきことは「売上を上げるにはどうするとよいか」のはずでした。しかしAさんもBさんも自分と異なる意見を受け入れられず、いつの間にか議論の主軸が「どちらの主張が正しいのか」に移ってしまったのでした。

2. 他の人の意見を鵜呑みにしてしまう

筋が通ったように聞こえる意見にすぐに「確かに、その通りですね」と賛同する人は、良く言えば素直とも受け取れますが、一方で「本当にそうかな」と批判的に考える力が足りないとも考えられます。このような思考を挟まないと、場合によっては誤っている結論に引っ張られてしまいます。

例えば、「今までマニュアルが無くても大きな問題は起きなかったのだから、わざわざマニュアル化しなくてもいいのではないか」という意見に、「おっしゃるとおりですね、マニュアルを作るのはやめましょう」と言ってよいものでしょうか。この場合、「マニュアルが無くても大きな問題が起きなかった前提条件は何か、その前提条件が変わってしまうことはあるのか」ということを考えてから、マニュアル化の是非を検討する必要があります。

3. 他の人の知見やアドバイスをうまく活かせない

クリティカルシンキングの力がないと人からの貴重なアドバイスを表面的にしか捉えられず、自身の仕事にうまく活かすことができません。

アドバイスを表面的に捉えてしまった例をご紹介します。Cさんには、仕事を抱え込んでしまう癖があります。Cさんが忙しそうにしている様子を心配した同僚のDさんは、「取り組む時間が確保できそうにない仕事は、上司に納期や負荷を調整できるか相談した方がいいよ」とアドバイスをしました。ところがCさんはイライラしながら、「そんなことは分かっている。けれど上司から依頼された仕事はとにかく納期までにやらないといけないじゃないか」と反論してしまいました。
この場合、Cさんが重きを置いていることは「自分が上司から依頼された仕事を全てやること」でした。もちろん、依頼された業務をやりきることは大切です。しかし、本来考えるべきは「組織全体で、やるべき仕事が完遂され、お客様にご迷惑をおかけしないこと」のはずです。Dさんはそのことを踏まえてアドバイスしたのですが、Cさんは自分が仕事をやり切ることしか考えていなかったためアドバイスをふいにしてしまったのでした。

いかがでしたでしょうか。クリティカルシンキングができない人の特徴を挙げてきましたが、クリティカルシンキングは訓練次第で誰でもできるようになります。日ごろから、暗黙の了解となっていることを探して「そもそもその前提は正しいのか」と考えたり、自分の考えたことについて「他の考え方はないか」と思考を広げたりすることで、少しずつクリティカルシンキングの力は身につきます。またBiz CAMPUS Basic でもクリティカルシンキング研修を開催しておりますので、批判的思考を身につけたい方はぜひご利用ください。

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