大阪で「第三回人材育成イノベーションフォーラム」を開催!|イベントレポート|人材育成・教育研修

成功企業が語る、継続することの大切さ

2018.05.11

3月19日、大阪で「第三回人材育成イノベーションフォーラム」を開催しました。東京に続き、女性活躍推進で成果を上げている企業に登壇いただき、女性活躍推進の軌跡や推進ポイントを紹介したほか、ゲストを招いての講演やワークショップを行いました。今回は、事例発表の様子をお伝えします。

大阪で「第三回人材育成イノベーションフォーラム」を開催!|イベントレポート_3

女性活躍推進の成功事例を
中堅中小企業の人材育成担当者や現場の管理職200名と共有

大阪で「第三回人材育成イノベーションフォーラム」を開催!成功企業が語る、継続することの大切さ

女性活躍推進の“実践”をテーマに掲げ、その成功ポイントを探った「第三回人材育成イノベーションフォーラム」。大阪開催では、132社・231名の皆さまがご参加、事例発表や意見交換を通じて、成果を出すためのヒントを持ち帰っていただきました。

開催に先立ち当社代表の眞﨑は、「女性活躍推進法が施行された2016年が『女性活躍元年』と言われている。しかし、当社の調査によると手応えを感じている中堅中小企業はわずか1.5%」という現状を報告。「登壇いただく企業の事例は、私自身も非常に参考になった。皆さまにとっても、自社の女性活躍を進めるヒントになるはず。ぜひアイデアを持ち帰ってほしい」と、フォーラムの意義を熱弁しました。

キャリアを考える時間を与え
対話、サポートを欠かさないことが女性活躍につながる

成功事例の発表では、西日本に拠点を置く3社に登壇いただき、女性活躍推進の軌跡や効果、推進ポイントなどを確認しながら、女性活躍推進を成功させるために取り入れたい視点や取り組みを共有しました。

1社目の清水電設工業は、工業製品のコーティング処理や装置の製造・販売などを手掛ける企業。男性社員が全体の8割を占める中、2011年に初めて創業家以外の女性管理職が誕生し、女性が活躍できる環境づくりを推進しています。清水博之社長と“実質”女性管理職1号で、現在執行役員でもある総務部長の立田愛さんに登壇いただき、女性管理職誕生の軌跡や女性視点を取り入れた経営の効果などをお話しいただきました。

清水社長は、「男性女性問わず、できる人を登用するのが私の方針。立田がふさわしいと思った」と、当時主任だった立田さんを総務課長に抜擢した理由を語ります。しかし、この打診を断り続けたという立田さん。「毎日の仕事をこなすだけで精いっぱいだった。考える余裕もなかったし、管理職として責任を負う自信もなかった」と言います。一方で、「プライベートを含めて、改めて今後のキャリアを考えたとき、もっと頑張らないといけないと思うようになっていった。同僚の言葉も励みになった」と、徐々に気持ちが変化し、昇進を決意。清水社長が「周りがやれと言っても、本人にやる気がなければその役職は全うできない。急かしてマイナスになるくらいなら、ちょっと待ってみようと思った」と話すように、女性に昇進を決意させるには、自身のキャリアをじっくり考えてもらう時間をつくる必要性があることがうかがえました。

課長に昇進した立田さんは、会社のサポートを得ながら学校に通い、MBAを取得。社長と一緒に経営計画書を作成したり、社外向けに会社をプレゼンしたりと業務の幅を広げ、部長、執行役員へと昇進し、今では女性の視点を経営に取り入れながら様々な施策を実施しています。結果、主任として活躍する女性社員が増えただけでなく、その上の管理職を目指す女性社員も増加したという変化が出てきました。また、立田さんが課長時代に立ち上げた、女性社員の対話の場である"女史会"を通じて、「今まで"改善"なんて考えていなかった社員からも、業務改善案が出てくるようになった」(立田さん)というように、職場環境を少しでも良くしようとする動きは、女性に限らず会社全体の環境改善にもつながっています。

現在は、男女問わず新卒採用を強化している同社。最後に清水社長は、「男性女性を意識せず、誰にでもチャンスがあるという土壌をつくるのがトップの役目。女性に限らず、どんな人にもチャンスを与えることが一番」と熱く語り、立田さんは、「女性が何に悩んでいるのか、しっかり観察して、対話をしてほしい。女性には、心に“これだ!”と決めたら突き進もうという強い気持ちがあるはずだから、決意するためのサポートをしっかりしてほしい」と呼びかけました。

清水電設工業 立田愛総務部長  清水電設工業 清水社長

現場との距離感を大切にし
改革の必要性を伝え続けることで信頼を獲得

続いて、ブライド・トゥ―・ビーの青木千加さんに登壇いただき、女性活躍を進めるための工夫や施策、その効果などをお話しいただきました。同社は、名古屋市内で結婚式場2店舗を運営し、一般的に離職率が高いといわれるブライダル業界で、離職率を業界平均の3~4割に抑えるだけでなく、育児休暇からの復職率100%を実現しています。

2度の育休取得後、ウェディングプランナーから企画開発広報部に移り、時短勤務で働く青木さんは、「社長が『女性がライフイベントで退職するという業界の常識はこのままでいいのか』という不安を抱えていた。2012年に初めて従業員満足度調査を行ったところ、結果が想像以上に悪くて...、このままでは会社の未来がない」と感じ、社長の号令で業界の常識を覆す改革に踏み切ったと明かします。

改革を成功させるために、まずは「大切にしたい思いを企業理念として明確化した」と言います。「"お客様を自分の親友や兄妹と考える"など具体的で分かりやすい“オキテ”を定め、社員が納得感を持って取り組めるようにした」ことで、理念に共感したメンバーが集まり、チームの一体感醸成につながっていきました。

さらに、社長直轄の企画開発広報部を新設し、働き方の改革を進めていきました。しかし、“言うだけなら簡単だよね。実際に取り組むのは私たち”と、現場社員の反発に遭ってしまいます。そこで、「顧客満足度ナンバー1の社員や、“凄腕”と呼ばれるシェフなど、各チームで成果を上げてきた社員をメンバーに登用し、頼られる存在になることを目指した」と青木さん。「週末は企画の社員も現場に入り、企業文化を体現して実績を上げている姿を見てもらうことで、信頼感につなげている」という工夫には、会場からも納得の声が上がっていました。

企画開発広報部の活動が浸透し、残業時間削減の目標値を達成できたほか、ブライダル業界では難しいといわれる時短勤務や在宅勤務など、多様な働き方ができる職場環境を実現した同社。その陰には、「産休前と復職前の面談は、社長自らアポを取って、必ず社長が面談し、状況や気持ちの変化を確認してくれる」といった社長のこだわりもあると言い、女性活躍推進には経営層との密なコミュニケーションが欠かせないこともうかがえました。青木さんは、「時間をかけて伝え続けることで現場も変わってきたし、私たち自身、現場から改革のヒントやポジティブな考え方をもらっている。最初は苦戦すると思うが、ぜひ実践し続けてほしい」と、継続することの大切さを訴えかけました。

名古屋市内で結婚式場2店舗を運営するブライド・トゥ―・ビー  ブライド・トゥ―・ビー 青木千加さん

多様な人材と共に成長
創業時から続けるダイバーシティ経営

3社目のプロアシストからは、創業者である生駒京子社長に登壇いただき、「多様な人材が仕事と家庭を両立できる環境づくり」について、自身の信念や実際の取り組みを基にお話しいただきました。

組み込みソフトの設計・開発などを行う同社は、設立2年目に初めて外国人社員を採用して以来、国籍や宗教、性別、年齢を問わず多様な人材が活躍できる職場づくりを進めてきました。経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」や「がんばる中小企業・小規模事業者300社」にも選ばれる、ダイバーシティ経営の先行企業です。

多様な人材が共に働くために、価値観の共有と相互理解の促進を重要視しているという生駒社長。「同じ釜の飯を食うには、方向性と考え方が共有されていないといけない。面接時にとことん話し、私たちの理念に共感できる方を“家族”として迎え入れている」と言います。その家族の育成に当たっては、「当社が求める3つのスキルのうち、テクニカルスキルとコンセプチュアルスキルは外部に任せている。ヒューマンスキルに関しては、もともと私が学校の先生になりたかったこともあり、“生駒塾”を開いて学んでもらっている」と、外注・内製をうまく使い分けて、社員一人ひとりが成長できる環境を整えています。

女性の活躍に焦点を当てると、ブライド・トゥ―・ビー同様、育休からの復職率は100%。復職後に副本部長のポジションに就く女性もいるなど、育休明けの女性が活躍できる職場を実現しています。その背景には、細かな情報共有をはじめ、「半年に1度、お子さんを連れてきてもらい、ランチタイムに元の職場メンバーと時間を共有することを"義務づけ"ている」といった育休中からの丁寧なフォローがあります。また、「育休中のメンバーの分まで頑張ってくれている社員には、管理職から『穴を埋めていただいてありがとう』という感謝の言葉を掛けるようにしている」と、サポートしてくれる社員への配慮も欠かさないことで、持ちつ持たれつの関係性を構築できている理由を教えてくれました。

さらに、男性の育休取得を推奨し、これまでに4人の取得実績がある同社。生駒社長は、「子育てを経験するとマルチタスクをこなす力が上がり、マネジメント面でも実力が上がっているように感じる」と、その効果を語ります。「育休は週1でも時短でも取ることができる。トーマツ イノベーションさんにも実績をつくってほしい」との提案には、会場から笑いが漏れ、当社としても気が引き締まる思いでした。「昔は“亭主元気で留守がいい”などと言われていたが、今は男女関係なく働き続けられる時代。会社の仕事も家庭の“仕事”も、男性女性が一緒になって続けていってほしい」とのメッセージを送るとともに、「今後はシニア人材も含めてさらに多様な方に参画いただき、社会に貢献できる会社をつくっていきたい」との意気込みも表明してくれました。

組み込みソフトの設計・開発などを行うプロアシスト  プロアシスト 生駒京子社長

“手応え”を感じるための取り組みをサポートしていきます!

事例発表のほか、経済産業省の古谷野義之氏、東京大学の中原淳准教授の講演、そして事例発表を受けたワークショップを通じて大盛況となった本フォーラム。「自社に置き換えて実践できることがあった」「まず一歩、始めてみようという気持ちになった」という前向きな声が多数寄せられたほか、「相互理解や男女平等の評価など、できていない点に気づかされた」「女性だけでなく、男性への配慮も必要だと分かった」など、多くの気づきが得られたようです。また、「根負けせずに続けることが大切だと感じた」「改善には多くの壁があるが、やり続ければ会社を強くしていけると感じた」というように、継続することの大切さも理解していただくことができ、当社としても“手応え”を感じられるフォーラムとなりました。

※ 肩書はフォーラム当時のもの

当社は今後も、皆さまのご協力を得ながら、情報提供や教育プログラムを通じて、中堅中小企業の女性活躍推進を支援していきます。また当社Webサイトでは、企業の実践事例を多数掲載していますので、取り組みを進めていく参考にしていただけますと幸いです。

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