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2017.05.11

開催間近!第2回 人材育成イノベーションフォーラム-ゲスト登壇企業を訪問してきました-

東京ワークライフバランス認定企業にも選ばれるなど、長時間労働になりがちなIT業界にあってワーク・ライフ・バランスを積極的に進める株式会社プレスク。しかし同社の湯浅社長の中では「女性活躍推進」も「ダイバーシティ」も「ワーク・ライフ・バランス」も、すべてがつながっているようです。数々の取り組みについて、背景にある思いなどを伺いました。

「21世紀型の会社づくりとは何か」と考えたときに、これからの幸せとは何か、豊かな人生とはどういうものか、を考えるところから始めたそうです。
「21世紀型の会社づくりとは何か」と考えたときに、これからの幸せとは何か、豊かな人生とはどういうものか、を考えるところから始めたそうです。

もともと社長を引き受けたときに、どちらかと言えば長時間労働が常態化している業界を、ワーク・ライフ・バランスのある業界にしたい、と思っていました。80年~100年という人生をどう生きるのかという観点で見たときに、ワーク・ライフ・バランスは個人にも会社にも、中期長期で返ってきます。なぜなら、魅力的な会社・社会から求められる会社は、社員一人ひとりが『この会社を良くしよう』と思わないとできないからです。
そのためには、社員を信じて、業務を任せて当事者意識を持ってもらうことが必要です。私は日ごろから『(今従業員が34名なので)一人につきだいたい3%はこの会社の持ち分がある』と言っています。最終的な判断や方向修正はしますが、基本的には『任せたあとは極力文句を言わない』を徹底しています。そうすることで社員が働きやすい職場を自分たちでつくるようになるのです。

2008年に始まった育児休暇制度も、男性社員からの発案で決まったそうです。しかし、従業員に任せていて、企業としての競争力は保てるのでしょうか。
2008年に始まった育児休暇制度も、男性社員からの発案で決まったそうです。
しかし、従業員に任せていて、企業としての競争力は保てるのでしょうか。

クライアント企業の繁忙期など、一時的に業務が集中したり残業が増えたりということはあっても仕方がないと思いますが、それがずっと続くような仕事はお断りをするようにしています。現場のマネジャーは『そんなことをしたら大変なことに・・・』と心配しますが、何かあったら責任を取る旨を伝え、先方にはっきり伝えることを指示しています。おかげさまで、これまで大きな問題になったことはありません。
一方で、このことは、『成功』というものを改めて定義しないといけません。『バリバリ働いてたくさん稼ぐ』という価値観も否定されるべきものではないと思いますが、当社ではそういう働き方はできないので、他社でやってください、ということになります。残業続きで過酷な仕事を引き受ける会社と比べると年収は低くなるかもしれないけれど、年間労働時間1900時間未満を目指し、豊かな時間を過ごすことの大切さを社員にも理解してもらっています。

同社では実は決算の内容も社内で共有しているそう。そのほかにも、従業員同士で家族の状況なども差し支えない範囲で共有しているそうです。そこまで情報共有にこだわる理由はなんでしょうか。

ワークもライフも、それぞれの状況を理解し合うことが大事だと思っています。仕事を見える化するのは一般的だと思いますが、家族の状況、例えばこの人は何歳のお子さんがいるとか、そのお子さんが先週から風邪をひいているとか、分かっていれば助け合うことができます。いい仕事をする人なのに、家族の事情などで働くことができないとしたらもったいない。一人ひとり異なる個性や抱える事情、仕事に対して求めるもの、それら多様な働き方を可能な限り認め、組み合わせることこそこれからのダイバーシティであり、経営陣の仕事ではないでしょうか。例えば時短勤務者が『申し訳ありません』といって退社するような状況はダメだと思います。
女性活躍ということでは、当社には復職経験者がまとめた『復職プログラム』というものがあります。ワーキングマザーはいろんなものを抱え込んで孤立しがちですが、『この人は復職の経験者です』というのが分かるデータベースがあるだけでもずいぶんと救われる部分があると思います。

様々な取り組みをされている同社で成功した制度・施策はなんでしょうか。またこんなにうまくいっているように見える同社にも、課題はおありなのでしょうか。
様々な取り組みをされている同社で成功した制度・施策はなんでしょうか。またこんなにうまくいっているように見える同社にも、課題はおありなのでしょうか。

成功しているのは、ファミリーデー、ノミニケーションチケット、そして社会科見学・体験学習です。今は制度利用率を高めることに注力してしまっている現状があり、これが課題だと思っています。
10人・20人の会社であれば意思疎通が簡単にできますが、徐々に人数が増えダイバーシティの幅が広がってくると、どうしても制度が必要になってくる。でも制度をつくれば会社が良くなるかというと、それはやはり違います。冒頭でお話ししたように、会社を良くしてくれるのは当事者意識を持った社員です。仕事にしても、社内のことにしても『チャレンジして失敗するのはOK』と口酸っぱく言っています。自走できるエンジニア集団を目標として、積極的に前に出られる社員であってほしいと思います。

「会社は従業員とその家族の幸せのためにある」と言い切り、優先順位は「健康、家族、そして仕事」だという湯浅社長ですが、会社が従業員のものであると思うからこそ、従業員の成長に対しても強い期待をお持ちでした。
今回、湯浅社長へのインタビューを通して見えてきた女性活躍推進のポイントは、会社が一方的に制度などを与えるのではなく、トップが従業員の多様性をチャンスと捉え、多様性を持った現場がお互いを認め合いながら問題解決をしていく、そんな自主性を引き出す組織運営にあると言えそうです。