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2018.4.10

現場ですぐに実践できる! 3企業の生の声に注目集まる「第三回人材育成イノベーションフォーラム」女性活躍推進の成功事例を700名と共有

前回に引き続き、2月15日東京にて開催した「第三回人材育成イノベーションフォーラム」の様子をお伝えします。後編の今回は、女性活躍推進に取り組み、成果を出している3社による事例発表の詳細をレポートします。

前回に引き続き、2月15日東京にて開催した「第三回人材育成イノベーションフォーラム」の様子をお伝えします。後編の今回は、女性活躍推進に取り組み、成果を出している3社による事例発表の詳細をレポートします。

「正解」はどの会社でも作ることができる!
実践のポイントは?

「女性の働くを科学する<実践編>」をテーマに開催された「第三回人材育成イノベーションフォーラム」。女性活躍への取り組みを進め、企業を成長へと導く大きな成果を上げている3社に登壇いただき、716名の参加者とともに自社で実践するためのヒントを探りました。前編でお伝えした女性活躍推進の3つのポイント「」「」「」を自社の環境・状況に合わせて取り入れ、様々な効果を生み出しています。

昇進を躊躇する女性の背中を押すには
フォローする意思を伝えることが重要

1社目のブルーノート・ジャパンからは、同社初の女性マネージャーとして活躍する田中奈津子さんに、管理職への昇進を打診されたときのエピソードや、働きやすい職場づくりに向けた取り組みなどをお話しいただきました。

同社は、食事とジャズを同時に楽しめるライブレストラン“Blue Note Tokyo”を運営し、エンターテインメント事業や飲食事業を展開する企業です。増加傾向にある女性顧客のニーズにさらに応えるためには、女性視点でのサービスが欠かせないと考えた同社は、女性活躍推進の第一歩として田中さんに管理職への昇進を打診しました。

昇進を一度断ったという田中さんは、「マネージャーになるという発想がなく、上を目指していたわけでもなかったが、今後どうすべきか…というモヤモヤ感が常にあった。でもやはり私にはできないと思っていた」と当時を振り返るとともに、「知人から掛けられた言葉で不安が消え、上司からの『フォローをしっかりする』という言葉、部下からの『マネージャーになってくだい』『皆で応援しますから』という言葉で『できるかも』と思った」と、昇進を決意したきっかけを語りました。この、周囲からの背中を押す言葉が昇進に影響するというエピソードには、女性参加者を中心に大きくうなずく姿が見られました。

マネージャーになってからは、様々な施策を実行したという田中さん。その1つが、「ジョブローテーションを取り入れ、妊娠中の現場社員を、人事の仕事、つまり昼の仕事にシフトさせた」ことです。以前は、妊娠・出産を機に仕事を辞める女性スタッフがほとんどだったという同社ですが、「ライフステージに合わせて、別の仕事を提案できるようになったことで、結婚や出産を迎えても、継続的に働く女性が増加した」という効果が現れています。また、「営業時間を前倒しした結果、残業が減り、多くのスタッフが電車で帰宅できるようになった」だけでなく、「夜のジャズクラブというクローズドなイメージが、健康的で利用しやすいイメージに変わり、女性1人で来店されるお客様も増えた」というポジティブな影響も出てきました。

田中さんは、「やりたいと言ったことを自由にやらせてくれる経営陣に感謝している」と、女性活躍推進を成功させるには、経営層の理解や意識も大切であることを示唆するとともに、「女性が働きやすい職場は皆が働きやすい職場」と話します。そして、「ジャズライブのステージのように、様々な感性を持ったスタッフが上りやすい“ステージ”をつくって、ステージに立ちたいと思ってもらえる職場をつくっていきたい」と今後の抱負も語ってくれました。

職場全体を巻き込んだ施策で課題を把握
経営計画に盛り込み、全社で“実践”するステージへ

2社目のソフトウェアサービス(SS)からは、添田新太郎社長、田島義雄執行役員、須藤麻衣さんの3名に登壇いただき、女性活躍推進を意識し始めた理由やこれまでの取り組み、今後の方針を熱く語ってもらいました。

システム基盤構築やセキュリティサポートなどを提供する同社には、客先に常駐する社員が多いというIT企業ならではの特徴があります。2016年1月に、全社定例会で「女性が輝くSS」を宣言したという添田社長は、「(宣言した時点で)10年間、女性の管理職が不在だった。また、結婚を機に退職する女性が多く、女性が継続して働ける環境づくりが急務だった」と、初めの一歩を踏み出したきっかけを語りました。宣言と同時にタスクチームを立ち上げ、「女性が輝くSS」を実現するための具体的な取り組みがスタートしました。

まずは、全社アンケートで意見を吸い上げ、そこから浮かび上がった課題についての討論会を実施。タスクチームのリーダーを務めた須藤さんは、「女性だけでなく、様々な視点、意見が必要だと思った。また女性活躍を進めるには、男性社員も含めた会社全体での教育が不可欠と感じ、職場全体を巻き込んだ」と言います。また田島さんは、「タスクチームの活動が浸透していたこともあり、皆、積極的かつ協力的に討論会に参加してくれた」と話し、全社員に当事者意識を持ってもらうことの重要性を示唆しました。

一方、討論会を重ねる中、「リーダー、管理職を対象にした討論会を計画したものの、常駐していたり多忙だったりと、なかなか人を集められず諦めようと思ったこともあった」(須藤さん)そうです。しかし、「(タスクチームの活動とは関係のない)リーダー以上が参加する営業研修の場で、急きょ討論会を実施する時間をつくってもらえたのはありがたかった」と、ボトムアップで行う施策には、会社や経営陣のサポートや理解が大切であることを裏付けるエピソードも語ってくれました。同じIT業界からの参加者も多かったためか、「自社ではどうしたら全社を巻き込んだ施策を実施できるか」を考えながら耳を傾ける参加者の姿が印象的でした。

これらの取り組みを通じて、「働き方について話し合う機会が生まれた」「女性活躍に限らず様々な業務改善案がボトムアップで出てくるようになった」という成果が得られたほか、女性がリーダーシップを発揮する姿を見たことで、「リーダー職を目指す女性社員が出てきた」という嬉しい効果も出ています。今後は「タスクチームからの報告を活かして、女性活躍推進の具体的なアクション、数値目標を織り込んだ新中期経営計画を策定し、全社の戦略として取り組んでいく」(添田社長)との意気込みを表明してくれました。

マインドとスキルの両面から変化をサポート
急増するビジネスチャンスに、“男女同一業務”で対応

続いて、ホームステージング・ジャパンの加藤望美COOが登壇。売却物件に家具や小物でインテリアコーディネートを加えて、円滑な売却活動をサポートするという同社の事業の中で、“男女同一業務”体制を構築した背景やそこで生じた壁、その壁を乗り越えた方法などを紹介していただきました。

2013年の設立当初は、選んだ家具を自分たちで物件に運び入れ、自分たちでセッティングをするという力仕事が多かった同社。そのため、男性が運搬、女性がコーディネートというように、自然と男女分業制が出来上がっていきました。その後、ビジネスが急拡大し、依頼を断らざるを得ない状況が出てきた同社は、人員を増やすことなく多くの案件に対応できるよう、力仕事をアウトソースし、社員は全員がサービスの要であるコーディネートに注力する“男女同一業務”体制を実現しました。

しかしこの変化によって、力仕事が大きなウェイトを占めていた男性社員から戸惑いや不安の声が上がってしまった。離職する社員もいた」と、加藤さん。女性社員ではなく男性社員に戸惑いが生じてしまった予想外の状況には、会場からも驚きの声が上がっていました。「ただ、社員の不安・不満が、私に直接入ってこなかった」という加藤さんは、「直接話を聞きたい、皆も思いを伝えたいはずだから、1カ月に1度の個人面談を実施することにした」と、徹底的に会社のビジョンや個人のキャリアについて話し合い、お互いの理解を深めることを決意。「一緒に改善ポイントを見つけて次の面談までに何をしたらいいのかを設定した結果、目的意識が芽生え、仕事が楽しくなったという声が出てきた。男女問わず変化サポートを行うことが大切」というように、対話によって状況が改善するという実体験を披露してくれました。また、「男性社員から“コーディネートに自信を持ちたい”という声も上がった」ことから、スキルを磨く勉強会も始め、面談でマインド面を、勉強会でスキル面をサポートして“壁”を乗り越えたエピソードもお話しいただきました。

同社は現在、男女の違いから一歩先に進み、個々の違いを理解し、違いをもとに理解し合えるよう、ダイバーシティの観点からも様々な施策を実施しています。最後に加藤さんは「一人ひとりが違うのは当たり前で、相手を自分と同じと考えずに、違いを受け入れることが大事。そして、今できることを少しずつでも進めていくことも大切。私たちの取り組みが少しでも参考になればうれしい」とメッセージを送ってくれました。

今後も実践企業の成功事例を紹介していきます
自社の女性活躍推進にご活用ください

時間の長さを感じさせないほど、様々なエピソードや思いが飛び出した事例発表。ある一般職の女性から、「管理職になった女性の話を実際に聞くことで、そのときの思いや周囲の働きかけについて学ぶことができた」との声が寄せられたほか、「男性が不満を感じるのは、注意しないといけないポイントだと思った」「全社を巻き込んで、男性社員もハッピーになる施策が必要だと分かった」という感想も聞かれるなど、3社の実例から様々な学びが得られたようです。

また、「自社の取り組みは不十分だと思っていたが、客観的に見ると優れた点もあることを認識できた」「登壇企業と自社の成熟度が違うため、全て同じようにはできないが、何もしないことが社員の不安を生むことが分かった」というように、何らかのヒントを持ち帰ってもらうことができたようで、当社としても非常に有意義なフォーラムになったと感じています。

今後も当社は、情報の提供や教育プログラムなどを通じて、中堅中小企業の女性活躍推進を支援していきます。なお、登壇いただいた3社の取り組みは、当社ウェブサイトでも順次紹介していきます。フォーラム登壇企業以外にも、様々な業界、様々なフェーズでの実践事例を掲載していますので、ぜひご活用ください。