• HOME
  • 調査結果
  • 「大変でもやりがいのある仕事」を重視するのは女性か、男性か?

2017.03.23

「大変でもやりがいのある仕事」を重視するのは女性か、男性か?

2017年3月中旬、残業時間の上限規制を巡る労使間の協議が決着しました。この内容については賛否がありますが、働く女性は残業についてどう考えているのでしょうか。また、そもそも仕事に対してどのように向き合っているのでしょうか。

浸透するワーク・ライフ・バランス重視の意識

今、働き方の見直しに関する話題がメディアを賑わせています。2017年2月24日(金)からはプレミアムフライデーもスタート、個人消費喚起を趣旨としたキャンペーンであるものの、新たな働き方を推奨・応援するメッセージが込められています。プレミアムフライデー自体は、まだまだ実施している企業は少ないようですが、半年前、1年前と比べても、働き方見直しやワーク・ライフ・バランスに対する機運は着実に高まっていると見受けられます。

本プロジェクトのテーマである女性活躍推進についても、法律(「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」、通称「女性活躍推進法」)の基本原則に「男女の職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立が可能となることを旨として、行われなければならない。」(第2条2項)とある通り、ワーク・ライフ・バランスの重視が前提であることが謳われています。

当社は毎年4月に企業の新入社員4,000名程度を対象としたアンケートを実施していますが、このアンケートで労働時間について聞いたところ、「定時に帰りたい」という新入社員の割合が男女とも増加傾向にあることが分かりました。男性においては「仕事・成長のためにできるだけたくさん働きたい」という回答も減少傾向にあり、ワーク・ライフ・バランス重視の意識が浸透してきていることが伺えます。

2016年を男女別に比較すると、「定時に帰りたい」は新入社員男性で29.5%、新入社員女性で36.9%となっており、女性が7.4ポイント上回っています。一方、「仕事成長のためにできるだけたくさん働きたい」は新入社員男性で21.7%、新入社員女性で14.2%となっており、7.5ポイントの開きがあります。新入社員の女性の方が「ワーク・ライフ・バランス」を重視する傾向があるといえそうです。

今後1~3年間の会社での労働時間についての考え(男性)
今後1~3年間の会社での労働時間についての考え(女性)

定時退社より「やりがいのある仕事」

これだけの結果を見ると、新入社員の女性はワーク・ライフ・バランスを重視した働き方を志向しているかのように見受けられます。

それでは、現実に長く組織の中で働き始めた一般の実務担当者の女性社員は「定時に帰る」ことを何よりも重視しているのでしょうか。そこには新入社員の時期とは、どのような差が生まれるのでしょうか?

実務担当者時代、働く上で最も重視していたもの(女性管理職・リーダー)

管理職およびリーダーの立場にある女性社員に、「実務担当者時代に働く上で最も重視していたもの」を聞いたところ、「定時に仕事を終えること」と回答した人はわずか1.9%で(男性は2.3%)、この項目よりも少ない回答となったのは「社会を変えるような大きな仕事をすること」(男性1.9%、女性1.7%)のみでした。

反対に、女性社員で最も多かったのは「大変でもやりがいのある仕事をすること」で26.7%、実に4分の1以上を占めました。同項目について、男性は17.5%と10ポイント近く少なくなりました(χ2検定、統計的有意差あり)。女性の方が男性よりも「大変でもやりがいの多い仕事」に向き合おうとしていることがうかがえます。

実務担当者時代、働く上で最も重視していたもの(男女別・管理職・リーダー)

仕事に対して真摯に向き合う女性社員の意志が感じられる調査結果です。

しかし、このことは「仕事のため」が免罪符となって「残業が奨励されるような職場」を生み出してよいわけではありません。それは「女性が長く働き続けること」に悪い影響をもたらします。次回は、女性が長く働き続けたいと思う職場について、レポートしたいと思います。

参考データ:「実務担当者時代、働く上で最も重視していたもの」全ての選択肢と回答率

実務担当者時代、働く上で最も重視していたもの参考データ(男女別・管理職・リーダー)

※ 調査結果を引用・転載する場合には出典を記載してください。

【出典記入例】

  • 出典:トーマツ イノベーション×中原淳 女性活躍推進研究プロジェクト (2017)「女性の働くを科学する」(https://www.ti.tohmatsu.co.jp/npro/2017/)